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個人投資家に向けたIRページ対策の重要性

  • ウェブコンサルティング事業部
  • 2009年04月17日
  • 広報戦略

IRページの今後

個人投資家への配慮が重要な時代へ

2009年4月15日 ゴメス・コンサルティング株式会社から「Gomez IRサイト総合ランキング 2009」が発表されました。

今年の1位はカプコンが8.45ptで受賞となっています。

ランキングレビューは以下の通り。

見られるサイト、読まれるサイトを目指して

結論から言ってしまえば、自社の事業に関する説明がことのほか充実している点が特徴的なIRサイトとなっている。それは以下の3点だ。(1)ゲーム市場に関するマーケット情報、(2)事業内容とセグメント情報、(3)ヒットシリーズの紹介。

一点目は、ゲーム市場のマーケット全体に関する情報。情報力のある機関投資家ならいざ知らず、個人投資家や企業のことを調べにきたステークホルダーがマーケット関連情報を集めることは難しい。データソースを知らなかったり、定期的なモニタリングや集計が面倒だったりするためだ。そのようなユーザーにもわかるように、市場規模やマーケットシェアなどが、数値と解説を交えてまとめられている。カプコンのIRサイトを見れば、カプコンのみならず、競合他社のポジションまでをも理解することができる充実ぶりだ。

二点目は、事業内容に関して。事業ごとにページ分けされ、それぞれについて市場の動向や強み、概況が簡潔にまとめられている。企業全体に占める各事業の売上の割合、売上高(前期比)、利益率まで併記されているので、事業単体の特性と企業全体から見た事業の位置付けを同時に知ることができる。事業戦略ページでは各事業の概況解説と事業計画に詳しく、定量的にも定性的にも優れた開示が行われている。

そして三点目は競争力の源泉。過去のヒットシリーズの一覧や販売本数など、栄光の歴史がIRサイトに刻まれている。ストリートファイターシリーズのようなメガヒット作にはプレイ画面の動画も連動し、かつてプレイしたユーザーには懐かしさを思い出させるだろう。それらヒット作を生み出し続けるコア・コンピタンスたる開発者のインタビューも定期的にアップデートされ、密度の濃い情報が掲載されている。

業績云々も大事であるが、やはりどんな特徴のある企業なのかを理解することなしに話は進まない。その点において同社IRサイトは、企業や事業を知ってもらうには十分な情報を掲載している。

多彩な業績情報~第三者の目線からも
事業紹介のみならず、業績に関する部分にも特徴的な試みがなされている。まず基本的なIR情報である決算短信やアニュアルレポートが掲載され、IRトップからの導線もあり、探しやすくなっている。決算説明会は動画、要旨、質疑応答までシッカリと掲載されている。

そして他社ではまず見られない情報がある。一つはアナリスト評価、もう一つはアナリストコンセンサスである。アナリストの評価は「買い」や「売り」などの担当アナリストのレーティングが一画面にまとめられているコンテンツであり、コンセンサス情報ではアナリストの業績予想(の平均値)の推移がグラフに表示されたコンテンツだ。自社からの情報だけではなく、第三者の評価情報をも掲載し、公正な視点で、別の角度から企業の状況を調べることもできる。

ところで、企業情報やIR情報の性質を考えると、文字情報が基本となる。その反面、情報を掲載すればするほど、文字があふれて読みにくくなる。文字だけがぎっしり詰まったページが読まれないのは古今東西の常であるが、カプコンのサイトはポイントを絞った箇条書きや図表・余白を上手に使ったライティングが行われ、読みやすさへの配慮もなされている。

これらを「アミューズメント系企業だから特別だ」という偏見を持って見てはいけない。過去のヒット商品などの華々しい歴史を持つ企業はたくさんあれ、それを企業情報として活用できている企業が果たしてどれほどあるか。しかも、それをIRサイトの情報構造の中に組み込み、IR情報の一つの柱として事業紹介に活用できているサイトがどれほどあるのか。なかなか活用し切れていない企業が多いのではないか。

過去の流れを理解してもらったうえで、これからの方針や将来性を示す。企業の「過去・現在・未来」の姿を正しく理解してもらうことが会社サイト、IRサイトの一つの目的だとすれば、カプコンIRサイトの情報展開は特筆に値する。そのうえ、業績と事業の情報がさまざまな角度から満遍なく集めることができるカプコンのIRサイトは、総合第1位の評価にふさわしい。

参考:http://www.gomez.co.jp/irranking/review/9697.html

昨今はIR情報洪水時代ともいわれ、J-SOXによる内部統制報告書や財務諸表部分のXBRLでの提出が義務となり、PDF形式のみのIRページは既に古い形式というレッテルとなってきました。

各社、ストリーミング配信、Flashなどを駆使した先進的なIRサイトが普及しています。

今後のIRサイトの傾向として、「個人投資家への配慮」は非常に重要なファクターとなっています。

日本IR協議会(JIRA)による調査・研究活動「第16回 IR活動の実態調査」によると、

個人投資家向けIR への取り組みは、87.9%の企業が実施していると回答した
(昨年は86.2%、一昨年は86.1%)

参考:https://www.jira.or.jp/

という結果になっています。

IRの対象はセルサイドアナリストから個人投資家に完全にシフトしています。

個人投資家を意識したIRサイトは、ユーザビリティやアクセシブルなIRサイトが重要となり、ウェブサイトのマナーとして、どんな環境や属性のユーザーでも同じように情報へアクセスできることが、最低限求められる時代となりました。

個人投資家向けのIRサイトとして、操作性を向上し、更に企業の強みや将来性、雰囲気を伝えることが重要となっています。

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